幸運に恵まれて完成しました

 一昔前は書類や図面は書庫で管理していました。
 使い方を他の人に聞かなくても利用できるので、異動した際にも戸惑うことなく使えます。
 その理由は、書庫は本棚名とそこに整列する本の背表紙のタイトルを同時に認識できるので、本棚の傾向を理解し易いことにあります。そのため、目的の本棚を探し易いのです。

 この書庫の仕組みを「ファイルの管理に役立てられないか」との発想から、ファイルを書類のように本に入れて本棚に整理するソフトを考案しました。そして本の中でファイルの印刷イメージを表示すれば、よりファイルを探し易くなると考えたのです。

 ただ開発は困難が予想されました。本の形をしたファイル周りの部品が。開発ツール側から提供されていないために、オリジナルで開発する必要があったからです。
 幸運にも、当時の大手企業との関係から、その会社の研究所と共同開発することができました。これにより、完成という日の目を見ることができたのですが、開発陣の「作るのなら本物にしましょう」との熱意により、ファイルの共有に優れたクライアント・サーバー型にもなったのです。
 ファイル周りを独自開発することで、「上書きしても元のファイルを消失しない」といった仕様も実現することが出来ました。
 ファイルソフトはフォルダの形が一般的なため、この製品はとても珍しく、おそらく世界で唯一の本の形をしたファイルソフトと思われます。その分ファイルの整理が容易になり、保育園から大手企業まで高い評価を得ています。
 本棚のように、使い方を教わらなくても使えるので重宝するはずです。